eKYC(電子本人確認)とは
eKYC(electronic Know Your Customer)は、本人確認書類と生体情報をオンラインで照合し、窓口に出向くことなく本人確認を完結させる手続き。金融・保険・通信分野で法律上の義務として導入が進んでいる。
eKYCの仕組み
一般的なeKYCの流れは以下の通りです。
- 書類撮影: マイナンバーカード・運転免許証・パスポートなどをスマートフォンで撮影
- 生体情報取得: セルフィー(顔写真)を撮影、またはICチップを読み取り
- 照合: AIが書類の顔写真とセルフィーを比較(顔認証)
- 確認完了: 照合成功でアカウント開設・サービス利用が可能になる
マイナンバーカードのICチップを読み取る方式は「公的個人認証(JPKI)」と呼ばれ、 最も高い確実性を持ちます。
日本における法的根拠
金融分野では犯罪収益移転防止法(犯収法)により、 銀行・証券・仮想通貨交換業者はeKYCでの本人確認が認められています(2018年犯収法改正)。 通信分野では電気通信事業法改正により、携帯電話の新規契約でもeKYCが義務化されました(2023年)。
電話認証との違い
eKYCと電話認証は目的と確実性が異なります。 電話認証(SMS認証・着信認証)は「この電話番号を使っているのが本人か」を確認するもので、 身分証明は伴いません。eKYCは「この人物が本人確認書類の名義人か」まで確認します。 法的要件があるサービスにはeKYCが必要ですが、 スパム対策・不正アカウント防止程度の目的には電話認証で十分な場合が多いです。
メリット
- 窓口来店不要で24時間オンライン完結できる
- 書類偽造リスクを生体認証で低減できる
- 法令上の「本人確認義務」を充足できる(犯収法等)
デメリット
- 対応書類を持っていないユーザーは利用できない
- AI精度の問題で偽名義書類や深偽造(ディープフェイク)に脆弱な場合がある
- 導入コストが高く、中小サービスには負担が大きい